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Channel: 俺のビジュアル道(笑)
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貴重音源レビュー:STELLA MARIA

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STELLA MARIA「AI DOLL」


1.AI DOLL

 

STELLA MARIAに"乱心のVISUAL神"KISAKIが在籍した頃の配布テープ。
'95年11月25日にCLUB GIO市川で100本配布されたものです。


「あいどーる」と呼ばれることが多いですが、「えーあい(AI:人工知能)どーる」じゃね?とコレクターの方に言われたことがあります。なるほど。そっちの方がしっくり来る。


実際にメンバーに確認したわけじゃないので本当のところは分かりませんが。

 


曲としては、ギターシンセが退廃的な世界観を出すナンバーで、近未来的なパンクという印象。
ボーカルにもエフェクトをかけ、上手く世界観を出しています。


サビでのボーカルラインもキャッチーで、初期STELLA MARIAのレパートリーとしてはかなり完成度が高い曲といえそうです。


なお、KISAKI脱退ライブで配布されたビデオでも同じテイクで収録されています。デモテープとビデオ、二つの配布アイテム以外では聞くことができない、非常に貴重な音源になっています。

 

また、5人体制になってからの初CD「UN-TITLED」で再録されていますが、そちらはサンプリング音やスクラッチ音が大胆に取り入れられ、バンド感があまりないリミックスのようなスタイルになっています。


配布された本数も少なく、バンド自体、今でもそれなりの人気があるため(アメ村Pure Soundさんでは区切り棚があるほど!)、市場にはまったく出ず、出てもかなり高値になるアイテムになっています。


KISAKIさんが在籍したバンドの音源でも、初期としては突出した完成度と人気のため、是非コレクションしておきたいけれど、とにかく出会えないという一品。


運良く出会えたとしても、1諭吉以上の値段で売られているのを悩まず即決できる勢いが必要でもあります。


貴重音源レビュー:STELLA MARIA

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STELLA MARIA「TIME LIMIT」


1.TIME LIMIT

 

先日、全盛期だった5人体制で1日復活ライブを行った関西バンドSTELLA MARIA。
こちらは、極初期に"乱心のVISUAL神"KISAKIが在籍時の'95年10月9日に京都MUSE HALLで100本配布されたデモテープ。


このバンド、大阪より京都を拠点にしていたような記憶があります。


曲としては、ギターシンセ等が入っていない、ストレートな音使いのパンキッシュなナンバーで、2分半ほどの短い時間で一気に聞かせるコンパクトな曲になっています。


他の初期ナンバーと違い、5人体制になってから再録されることがない、まさにこのデモテープでしか聞けない曲です。


レコーディングは'95年9月14・20日に一気に録られたようで、正直、勢いだけで録ったため、キメの三連フレーズでリズムがズレているのが気になる…という、粗さは否めないテイクですが、ボーカルラインはキャッチーなため、再録してもよかったんじゃないかな…という印象。

 

KISAKIさんが残した初期の音源としては、存在のレア度、音の貴重さ、人気の高さ、三点揃った特に貴重な一本です。とにかく市場には出てきませんが、出てきても諭吉1~2枚は覚悟しないと現物入手は厳しいかと思います。

 

なお、前回紹介の「AI DOLL」を含め、3本のデモテープが配布されたという噂がありますが…本当なら9~12月に名古屋で女性の髪か胸もとが映ったジャケットのデモテープが配布されているはず…「当時、全通してたから持ってるよ」「全通したけど配布されなかったよ」という情報をお持ちの方はいないでしょうか??

 

購入した某お花屋さんも、「もう一本ありますよね」と言ってましたが…

 

 

貴重音源レビュー:SHAZNA

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SHAZNA「Voice of...」

 

1.Voice of...

 

ビジュアル系黄金期を象徴する存在と言ってもいいSHAZNAの初期配布テープ。

 

'94年1月9日に新宿Loftで配布されている物で、長年、存在は知られてるけど「どんな内容なの?」と思われていたアイテム。

 

前年にリリースしたデモテープから「ESCAPE」をバックに、'93年の総括と'94年の展望を各メンバーが語るメッセージテープになっていて、有名になってからとは若干キャラが違う語り口調が非常に面白いです。

 

IZAM(このときはIZANE)は、根拠の無い自信をこのバンドに持っていて、成功を確信しているかのような内容を語っているのが面白いのと同時に、"ここまで信じていたから後の成功が待っていた"とも思わせてくれます。

 

ちなみに、IZAMの中では、'95年初頭には青年館2Daysをしたいと思っていたようで…

 


そして、新年のスケジュールが語られているのですが、初の東名阪ツアーではビデオが配布されていたようで…なにそれ、めっちゃ見たいんですけど!?


メッセージは曲の尺にぴったり合わせていて、曲中のベースのキメの部分でNIYがメッセージを被せたため、他のメンバーから「あ~あ」と突っ込まれたり、曲のラストのシャウトをメンバー全員で合わせて叫んで終わったり、という内容もなかなか面白くなっています。

 


SHAZNAの初期アイテムはファンの間でも人気が高く、また、配布品は現存数が非常に少なく、市場に出てきたときにはメィニアが糸目をつけずに豪快に買い付けることもあります。


こちらはメッセージテープなので、内容のレア度は少し落ちますが、面白い内容になっているので、(高値を出すのはオススメしないですが)見かけたときは手を出してみてもいいかな、と思います。

貴重音源レビュー:松川敏也

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松川 RAN 敏也「BURNING - 今は亡きランディ・ローズに捧ぐ」


1.Named 1986~Without You
2.Night Of The Beast
3.Get The Free
4.Second Diamond
5.Illusion
6.Ball And Chain
7.Starless Sea
8.Violet Sweet
9.Crisis


美形のジャパメタバンドBLIZARDの敏腕ギタリストRANのソロアルバム。
古き良きビジュっ子なら「hideのファーストツアーでサポートした…」、'90年代J-Rockスキーなら「一時期、TWINZERにいた…」と言えば分かってもらえるかもしれないですね。


んで、有名な話なので人によっては説明不要でしょうが、このアルバムでボーカルを執っているMr.CRAZY TIGERという、どうしようもなくダサい…プロレスラーのような名の人物は、後にB'zを結成し、日本一稼ぐボーカリストとなる稲葉浩志


レア音源として聞くなら、聞き所はやはりボーカルでしょうが…「これを歌っているのは稲葉浩志」というのは、言われないと分からないレベル(むしろ、言っても信じてもらえないレベル)で、LOUDNESSの二井原実やREACTIONのJUNYAを髣髴とさせるハイトーンボーカルになっています。むしろ、BLIZARD以上にアグレッシブでエキサイティングな、疾走感溢れるテクニカル&メロディアスなギタープレイの方が聞き所のような気が…(ギタリストのソロ作品だから当然だぁね)

 


楽曲(詞・曲とも)はRANがかつて在籍した“東京”X-RAYのボーカルRIOによるもの。(BLIZARDのセルフカバー#4のみRANによる曲。また、#6,9はRIOが早川めぐみに提供していた楽曲。)


スピーディな#1,2,6,8はジャパメタ大好き人間も大満足な秀曲で、個人的にはBLIZARDより好き。また、パワーバラード#4や気だるいボーカルを聞かせるヘビー&メロディアスな#9も良く、NWOBHMっぽさを感じさせる正統派サウンドをベースに、幅広い曲調を聞かせてくれています。


RANのプレイも全編弾きまくるわけではなく、ボーカルを聞かせるパートではバックに徹した堅実なプレイを聞かせ、その分、ソロではテクニカル&メロディアスなプレイを畳み掛ける、押し引きを心得た“バンド然とした”プレイをしているのが良いです。(#2でのギター×キーボードのバトルは最高!)


んで、前述の通り、ジャパメタの王道スタイルのボーカルはRANとの相性も抜群で(むしろ、作品の完成度を上げた一番の功労者だと断言できる!)、B'zの稲葉浩志…ということを抜きにしても、非常に完成度の高いジャパメタ作品と言えそうです。


しかし…稲葉さんが予想以上に歌えているとは言え、“家庭教師をやってた無名の学生ボーカリスト”を擁するバンドをここまでまとめ上げたRAN(とRio)の手腕は特筆すべきものかと。無名時代の稲葉さんのボーカルが聞けるということもあり、市場では非常に高値になっており、また、LP主流の時代だったためCDはさらにウルトラレアで、目黒の最高値で20万を超えたこともある、日本でメジャー流通されたCDで最も高値になった(*)と思われるCDです。

 


奇跡の再販を期待したいところですが…

 


なんでも、RANさんは何年か前から連絡が付かずに何処で何をしているのか、元バンドのメンバーも知らない状態らしく(死亡説まであるほど)、再販できない最大の理由になってるのかなぁ…と思ったり。


さらには、稲葉自身がこのCDの版権を買い取ったという噂まで存在する(これは多分嘘情報で、実際にはBeingがB'zの黒歴史化して出さないだけ)、再販化絶望の一枚になっています。

今なら、ブックオフでも“えらい値段”を付けると思われる、日本のプレミア音源の最高峰。

 

 

ユニオン買い取り価格は6万円。
即買い価格は10万円。
オクで運が良ければ3万円が相場。

 

レア音源収集家にとって金字塔となる一枚です。

 

是非、探してみてください。

 

昭和から存在するレンタル店、「古本屋」という名目でやってる大人のビデオ屋の「形だけ置いているCDコーナー」等、あるわけない場所にも発見報告があります。
 

 

 

*スピッツやMR.CHILDREN、aiko、Janne Da Arcのインディーズ時代のCD・EP・デモテープ、ラルクetcの発売中止になったCDのプロモ音源が30万を超えたこともありますが、そちらは自主制作や非売品で数も少なかったので高値になって当然。メジャーで活動していたバンドのギタリストのソロ作品と考えると、この値上げ幅は異常!!

貴重音源レビュー:Zi÷KiLL

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Zi÷KiLL「LAST THIS TIME」

 

1.LAST THIS TIME

 

昨年、YOSHIKI主催のVISUAL JAPAN SUMMITで復活するかと思いきや、TUSKだけがTHE SLUT BANKSで参加…ちょっとだけ残念になりつつも、セッションのときにYOSHIKIから「え!TUSK来てるの!?うわー!久しぶり!Zi÷KiLLは?来年Zi÷KiLLで出てね!」と御大から直接指示があった…というエピソードからも分かるほど、初期エクスタシーレーベルの中で重要なポジションにいたバンドZi÷KiLL。

 

こちらはエクスタシーに所属し「真世界」でレコードデビューした後、'89年10月30日、その年最後のワンマン公演となる豊島公会堂で配布されたソノシート。

 

ミッドテンポで力強くメロディを聞かせるナンバーですが、楽曲を支配する退廃的(≠ダーク)な世界観は、まだ「ビジュアル系」という言葉が存在せず、スタイルもシーンも確立していなかったこの時代においても包み隠すことが出来ないほど濃く、後のバンドが完成させた感はありますが、このシーンにおけるZi÷KiLLという存在の大きさを思い知らされるような一曲です。

 

楽曲としては、後に名盤「CLOSE DANCE」で再録されます。

オリジナルとなる配布盤は、音作りがラフで、刺々しい印象。

 

 

いわゆるポジパンと呼ばれるスタイルを攻撃的に仕上げたスタイルで、後のビジュアル系シーンの礎を作った一組と断言できるバンドですが、それだけに、このバンドのことを知らない世代が多くなった今こそ…一度だけでいいので、本物のビジュアル系の源流を見せて欲しいものです。

 

VISUAL JAPAN SUMMITの第二回が開催され、TUSKの心が動く…というダブルの奇跡を信じて…

本日の一枚:大村孝佳

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大村孝佳「Cerberus」
 
1.BATTERY(METALLICA)/TOKI(C4)
2.Tornade of Souls(MEGADETH)/Ikepy(Her Name In Blood)
3.Bring Me To Life(Evanescence)/上木彩矢(UROBOROS)
4.NEMESIS(ARCH ENEMY)/葉月(lynch.)
5.Take The Time(DREAM THEATER)/久世敦史
6.Mr.Scary(DOKKEN)
 
BABYMETALを支える神バンドの固定ギタリスト大神様としての活動を筆頭に、ex-Kill=slaydのToki率いるC4、ビーイング所属だった上木彩矢を擁するヘビーロックバンドUROBOROSでの活動も行う、働き者の技巧派ギタリスト大村孝佳のソロアルバム。
 
ゲストボーカルを迎えて(#6のみインスト)、有名バンドの超有名曲をカバーする内容で、BABYMETALで彼を知った人には各時代の海外メタル入門編という感じの選曲。
 
各曲とも、大きなアレンジ変更はなく、「やっぱ、こいつうめぇ~~!」と唸らされるようなプレイを聞かせてくれます。
 
むしろ、聞き所は、ガチのメタラーじゃない人を起用して、ガチのメタルナンバーを歌わせているところでしょうか。
 
30年間、メタルマスターのアンセムとして君臨している名曲を、メタルを歌う印象は全くなく、パワーで押す印象も全くなかったC4のTOKIが歌うということで、どうなることかと少し心配でもあった#1では、ヒゲ面のゴツイメタラーオジサンとしか思えない吐き捨てシャウトを聞かせ、かなり驚かされました。
 
オープニングではアコギを用いて、オリジナルよりさらに緩急をつけた音使いをされ、所々で追加されたオブリや超技巧的にリアレンジされたギターソロは聞き応え十分です。
 
UROBOROSというバンドは知りませんでしたが、上木彩矢という名前を見て「あれ?B'zにプロデュースされてなかった?」とwikiったら、こんなところにいたのね…という印象ですが…メランコリックに聞かせるEvanscenceのカバーは雰囲気も合っていて◎。
クレジットがないので誰が担当しているか分かりませんが、男性コーラスとの絡みも上手く、オリジナルでは入ってこないギターソロもメロディアスにテクニカルに決まっていて、かなり完成度が高いカバーになっています。
 
そして、個人的には一番の聞き所としていた、活動休止中のlynch.の葉月がARCH ENEMYのナンバーでの咆哮ですが…迫力のシャウトは「さすが」の一言…と同時に、オリジナルと聞き比べると、アンジェラ姐さんマヂでえげつねぇ…と感じてしまったり。
 
特典DVDはソロ名義ですが、久世氏を擁するバンドでのライブをフルで収録。
ゲストでBABYMETALの神バンドやC4のメンバーが参加。非常に豪華なライブになっています。
 
また、amazonを通じて、オフィシャル通販を申し込むと、MC部分だけを収録したDVDもさらに付いてきます。
 
こちらは、amazonの商品ページから、マーケットプレイスで Keasler Japan Limited/SMS JAPAN が出品しているものを購入するともらえます。
 
amazonのページではよその業者が意味不明なプレミア価格で販売し、表示が分かりにくくなっているので気をつけてください。
 
このページ の Keasler Japan Limited/SMS JAPAN の出品分を購入してください。
 

貴重音源レビュー:彩華葬

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彩華葬「追憶」

1.追憶
2.落葉人種

20世紀末に大阪を中心に活動していた(と思うんだけどなぁ…)ドマイナーバンドのデモテープ。
歌詞カードが欠品し、クレジット等がジャケットに無いため、メンバー構成や本拠地、いつの作品か、といった情報は分かりません。

SHOXXの「UP TO DATE」で見たことのあるバンド名だなぁ…くらいの知識です。
ちなみに、検索かけても葬儀屋さんしか出てきません。

ジャケットの隅っこに「シュークリーム、モンブランを食べ過ぎないように」という謎のメッセージがあり、コミックバンドだったのかな…と感じたり。

というわけで、肝心のサウンドですが…

#1はコミックバンドとは程遠い、マシンビートとシンセのサウンドをバックにキレの良いカッティングを聞かせるギターと、メロディアスなボーカルラインを聞かせる、かなり普通のスタイル。
ギターはなかなかに小技が効いていて、ほぼ無名のバンドと考えると、なかなか良いプレイをしています。

ボーカルは所々で声がしゃくれ上がる癖があるようで、人によっては耳に付く…という印象があるかもしれないですが、そもそもこのバンドを聞こうという人に「完全無欠のかっこいいバンド像」を求めている人などいないと思うので…

 
予想に反して、普通に聞けるバンドになっています。
(残念)

#2はノイズとマシンビートをバックに、強いエフェクトがかかった不思議なギターリフと早口なボーカルが絡むナンバー。
各要素が噛み合い、効果的に聞かせられたらかっこいいのでしょうが、メロディラインが弱く、印象に残りにくい印象。

そこまでハードでもダークでもないのに、ビジュアル系よろしくな嗚咽シャウト風歌唱が入っているのも、噛み合ってない要因でしょうか…

というわけで、そんなに期待してなかったのに普通に聞けてしまったバンド…という印象です。

ほぼ無名なので、市場に音源が出ることはほとんど無いですが…抱腹絶倒のデタラメバンド!!ということもなく、「なるほど」と感じさせられるサウンド・アレンジを聞かせるバンドなので、見かけたときは"そういうもの"を期待せず聞いてみては…という感じ。

貴重音源レビュー:AQUA

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AQUA「Immoral drug」
 
1.Resolution
2.らせん
3.Violet
 
よく分からないC級ドマイナービジュアル系バンドのデモテープ。
 
AQUAといえば、某CD店が「ex-L'Arc-en-Cielのドラムによるプロジェクト!」と、PEROの名を伏せて広告を打ったら、SAKURA復活!?と勘違いしたファンからの予約が殺到して、正しい情報が知れ渡った瞬間「キャンセルできないの?」とトラブルが多々発生したバンドが有名ですが…
 
違うAQUAです。
連絡先等のクレジットがないので、何処のバンドか分かりませんが…多分大阪?
 
構成は以下の通り。
vo.紅
gt.秀弥
gt.紗那
 
リズムは打ち込みで、生っぽく聞こえる音をセレクトしている感じです。
 
#1はシンセによるSEを曲前に入れ雰囲気を醸したところから、疾走感に乗せてビジュアル系お得意の伸びやかなメロディを聞かせる、ド王道の初期Dir en greyスタイル。
ダークさも併せ持ったAメロからビジュアル系らしい流麗なサビに入っていく展開は"あの頃のバンド"らしく、なかなか良いです。
 
しかし、ギターが二本いるのにどう聞いてもシングルギターにしか聞こえず、オマケに隙間の多いカッティングや、単純すぎるフレーズで聞いてるこっちが恥ずかしく感じるギターソロ等々…技術的にも未熟で、惜しさしかありません。
 
ボーカルも、低音を効かせたなかなか"えぇ声"ですが、音感が微妙に悪く、延々1/4音くらいずつ外して歌っているようで、こちらも惜しいです。
 
#2はシャウトパートとメロディパートを使い分ける、王道ダーク&ハードなナンバー。
 
シャウトをするたびに声の出し方が違い、嗚咽とも喘ぎとも取れない変な声を出したり、ビジュアル系らしいシャウトが出たり、ネタなのか?と感じたり…
一部、エフェクトをかけたり、確かに面白いですが…基本的に苦しそうに歌い叫んでいるので、聞いてるこっちも苦しくなってきます。
 
ギターソロは相変わらずフレーズが単純&弾けてなくて、やっぱりなんか恥ずかしいです。
 
#3はダーク&ヘビーな歌物ナンバー。パワーバラードになるかな?
Aメロのバックにmidiで鳴らしたピアノ(みたいな音)を入れて雰囲気を出そうと工夫されています。
メロディはなかなか起伏に富んでいて好印象。ギターソロも、他の2曲よりは機能している印象。
 
 
と、きつめの評価で書いていますが、メロディやボーカルの声質はなかなか良い物で、歌唱力を上げて、レベルの高い楽器陣がバックを支えたら良いバンドになったのでは…!?とも感じたり。
 
メンバーはこの後どこかのバンドを結成/移籍…ということもない(と思う)、紛うことなきドマイナーで、他の音源も恐らく存在しない(と言うか一般の手に届くことはほぼない)と思われるので、そんな未来は見ることは出来ないんですが…
 
C級バンドを愛する人が聞いたら、良い意味でニヤニヤが止まらないかと。
 
まぁ、並のビジュアル系好きは手を出さない方が賢明です。(笑)

貴重音源レビュー:Gilles de Rais

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Gilles de Rais「HAUNTED HOUSE vol.7 shibuya VUENOS PRESENT CD」
 
1.UNFORTUNE
2.HUMAN MORAL
3.PARALLEL WORLD
4.D.N.A.
 
2017年2月11日、完全体ではないですが、奇跡の復活を果たしたGilles de Raisが、Gilles de Raisで予約した人に配布したCD。(他のバンドも予約者に配布品を用意していた)
 
奇跡の復活と呼ぶ理由は、 こちら を参照。(必読)
 
 
当日は、JOEをメインボーカルに据えながら、サポートでZ様(AMADEUS~Moi dix Mois)、Hitomi(Fatima~Moran)が入る感じで、セッション色は強かったものの、JOEがGilles de Raisを歌う奇跡に、シオンの花が咲く丘に乾杯!でした。(「シオン~」はやってませんが)
 
さて。
ライブ前から話題になっていた、会場限定販売( 通販受付中 )の未発表曲・未発表テイク特盛りCD「UNFORTUNE」とは別に配布されたこのCD。
 
日はクレジットされていませんが、'89年…恐らく、結成後初のライブとなるYANTA鹿鳴館(現ブランニュー)での音源を収録。
メンバーとは言え、よく残していた!!と感じる音源ですが、収録曲が全て未音源化曲。
 
#1,4が、辛うじて今回の会場限定CDに収録されましたが、他の2曲はライブで何回演奏したかも分からないほど、初期の時点でお蔵入りしたと思われる激レアナンバーになっています。
 
#1は、音源どおりに笑い声や、曲の最後に「違う!違う!違う!」という叫びが入っていて、ストレートなパンクスタイルだったCHRISTIAN DOLLとは全く違う、シアトリカルでハードなスタイルになっています。
改めて聴くと、歌メロもなかなかキャッチーです。
 
#2は、初期によく書かれていた「無国籍サウンド」を体現したような、不思議な音階のギターフレーズをヘビーに聞かせるスタイル。結成の時点でこのスタイルが定まっていたのはさすがです。
 
#3はメタリックなリフが印象的なナンバー。CRY-MAXというか…DEAD ENDの曲が近いでしょうか。ギターソロもかなり弾いています。メンバーの音楽的ルーツが垣間見れるレアな一曲ですね。
 
#4は、低音パートとメロディパートで声色を使い分けて歌うのが印象的。
また、跳ねたリズムでも明るくなりすぎない雰囲気の出し方や、そもそもこのリズムでの各パートの掛け合いをばっちり決めるあたりに、演奏レベルの高さが分かります。
 
 
既にレコードデビューしているメンバーもいたので、新人とは呼び難いですが、それでもシーンを席巻し、メジャーデビューを果たすバンドの始まりにして、その未来を手にする実力が備わっていたと思える内容です。
 
記録用ビデオかテレコから起こしたような、お世辞にも"良い"と言える音質ではありますが、資料的にも楽曲的にも貴重すぎるものなので、よく封印を解いてくれた!と感じます。
 
予約順にシリアルナンバーが振っていて、締め切り間際で50台なので、全部で60枚あるか…という限定数で、恐らく貰った人は誰も手放さないと思うので、現物の入手は不可能と言っていいでしょうが…音だけは聞いて欲しいなぁ…JACKさん、なんとかなりません??という一枚です。
 
とりあえず、「UNFORTUNE」は必ず買いましょう。
 
反応が良ければ、きっとJOEさんがこの奇跡を奇跡じゃなくしてくれるはずです。

今日の音楽:We Are X

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X JAPAN「We Are X」

 

CD.1

1.La Venus(Acoustic version)

2.紅(From The Last Live)

3.Forever Love

4.Es Durのピアノ線

5.DAHLIA

6.Crucify My Love

7.XCLAMATION

8.STANDING SEX(From X JAPAN Returns)

9.TEARS

10.LONGING~切望の夜~

11.ART OF LIFE 第三楽章

12.ENDLESS RAIN(From The Last Live)

13.X(From The Last Live)

14.Without You(Umplugged)

 

CD.2

1.Rusty Nail(From DAHLIA TOUR FINAL ~無謀な夜~)

2.Forever Love(From The Last Live)

 

昨年、PATAの急病により無期延期となってしまったNew Albumのリリースと、イギリスの名門・ウェンブリーアリーナでのライブ(こちらは先日慣行!!)の代わりに届けられ、各国の映画祭で賞を受賞したり絶賛されたドキュメンタリー映画「We Are X」のサントラ…としてリリースされたアルバム。

 

映画のために(もう十分遅れてるから、1曲追加してもっと遅らせても大丈夫だろうと)製作された新曲を、ピアノ&ストリングスをバックに聞かせるバージョンの#1と、'05年にYOSHIKIがソロ名義のクラシックアルバム用に、hideを思い書き上げたナンバーを、ピアノだけをバックに歌い上げる#14という、復活後、初となるパッケージでのスタジオ音源(配信限定では「I.V.」や「JADE」等あったが)が収録されているため、注目されていました。

 

 

…まず、アルバムの説明の前に、映画の話を。

 

映画は、オフショットや過去の映像作品やTV出演映像、秘蔵ライブ映像等を使いXの歴史を振り返り、マディソンスクエアガーデン(MSG)でのライブまでを辿る内容。

個人間の内情や舞台裏は、話としては知っていたけど、実際に本人の口から話されると衝撃的な内容の連続で、特にYOSHIKIの父の死から得た生死観、ToshIの洗脳の話はかなり生々しく、「自殺の罪深さ」と「洗脳の恐ろしさ」を伝える内容にもなっていました。

 

 

関係者のインタビュー…特に、海外の方からのものはリップサービス全開な雰囲気でしたが…

 

 

メインとなる映像はMSGでのライブで、過去の映像で使われる曲がサントラに収録されている感じで、スタジオ音源は#11,#12を除き、フルでの収録。ライブ音源はイントロダクションが省かれたり、煽りのリフレインでフェイドアウト…と、オリジナルリリースされたものからは再編集されています。

 

2つの新曲を除くと既発音源のため、"サントラ"と言いつつ、変則的な内容のベストと言うべき内容ですが、#10(インストパートのみ)と、最近のライブではよく披露する#11はオフィシャルで初編集され、最新リマスタリングが施されているため、「ベストはもういいから、早くオリジナル出せよ!!」というライトなファンの方でも、他のベストよりオススメできる内容になっています。

 

初めて聞くX JAPANの作品となると、他のオリジナル作をオススメしますが…

 

 

さて。肝心の新曲ですが…

 

#1はYOSHIKIお得意のバラードで、洗脳から開放されたToshIの伸びやかかつエモーショナルなボーカルが映える、非常に美しいメロディを聞かせるナンバー。昨年のVISUAL JAPAN SUMMITでサビだけ演奏されたり、直近のTV番組でも披露されていますが、やはり映画を見た上で音源を聞き込むと印象は変わってきます。

別れと再会があったからこそ、時に悲しげに、時にポジティブに響く部分があり、映画とリンクしている曲だと思います。

 

#14はピアノだけをバックにToshIが歌い上げるアレンジ。音質から、恐らくYOSHIKIが弾くピアノにその場で合わせた一発録りかな、と。ライブで何度も披露され、聴衆だけでなく演者まで涙してしまう楽曲ですが、このテイクでも、ToshIは声を震わせる部分があります。

 

某誌で、本作の解説も手がけた増田勇一氏(映画にもコメント出演&パンフレットに解説を寄稿)が「「よくも俳優みたいに必要に応じて泣けるよな」ということではなく、"いつもの物語の、いつものポイント"で感情のピークを迎えるほど、本気で挑んでいる」と綴っていたのを思い出し、なるほど!と思わされる部分でもありました。

 

恐らく、今後 そのうち リリースされるNew Albumでのテイクでは感情をコントロールし歌い上げてくれるとは思いますが、その前段階のデモンストレーション音源と考えると、YOSHIKI…というか、Xらしさが詰まったテイクと言えそうです。

 

 

前述のとおり、純然たる新曲・未発表テイクは2曲だけで、一部マニアックな選曲がされたベストという印象の内容ですが、新作への期待が膨らむ内容なので、ライトなファンにも聞いてもらいたいです。

 

…勿論、映画も見てもらった上のほうが、楽しめるかと思います。

 

なお、邦盤は既発のライブ音源を収録のDisc.2、歌詞と解説を掲載したブックレット(追加の写真等はなし)、BOX仕様と、豪華なようであまり豪華でないので、安価な輸入青盤を買うのがオススメです。

貴重音源レビュー:D'ERLANGER

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D'ERLANGER「an aphrodisiac」

 

1.UNDER THE PRETENSE

2.LA VIE EN ROSE(#2 UNCENSORED VERSION)

3.LULLABY

4.an aphrodisiac

5.INDECENT-TWO-PERSONS(VIDEO MIX)

 

'17年で復活から10周年を迎え、新作リリースに全国ツアーと、精力的に活動をしているビジュアル系黎明期に活躍したD'ERLANGERの限定ビデオ。

 

今年のビジュアルイメージとして発表されたインディーズ期を髣髴とさせる画像は、このビデオの裏ジャケのデザインがオリジナル。(写真自体はCD「LA VIE EN ROSE」でも使われてたけどね)

 

 

 

D'ERLANGER単体として、初の映像作品となるこちらのビデオは、PVを収録。

 

モノクロのイメージ映像をバックにしたメンバーの姿を映す#1から、CD同様「LA VIE EN ROSE」の囁きから雪崩れ込む#2は、SEとは打って変わってサイケデリックな色使いの映像エフェクトがかけられ、バンドの持つ"けばけばしさ"をより際立たせる映像に仕上がっています。

 

映像エフェクト等は時代を感じさせる粗いものですが、KYOとCIPHERによる、ビジュアル系の妖艶さを出す必殺技「禁断のベロチュー」も拝めて、「もしかして、これがオリジナル!?」と感じてしまいます。(金髪バンダナのビジュアルイメージも含めて、在りし日の黒夢の清春×臣のベロチューそっくりだったw)

 

ちなみに、「UNCENSORED VERSION」となっていますが、どこが無修正で、修正版があるのかまでは存じておりません。

 

#3は演奏シーンを細かいカメラワークで映した躍動感のある映像。

シンプルな映像ですが、ロックバンドのPVらしい仕上がりです。

 

ライブでも超盛り上がるハードな#4は楽曲の持つハードさを映像化したような、妖艶で退廃的、破壊的な映像になっています。

 

#4はエンドロールをバックに流れる、SEなどが追加されたリミックス音源。

CD化はされていない…はず。

 

 

(EPやDT、抽プレ品を除けば)他の作品とは違い、限定10000本のみの販売で、再販もDVD化もされていないため、今でもプレミア価格で販売されるとても貴重な作品になっています。

 

後のビジュアル系に多大な影響を与えた、美麗で妖艶なビジュアルと激しいサウンドを映像でも表現したPVは必見です。

 

なお、パッケージは厚紙のBOX仕様で、シールで封印。ポストカード大のステッカーが2種封入されています。

 

全て揃った物はさらに貴重です。

貴重音源レビュー:MyTH

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MyTH「アベリア」

1.アベリア

今年、発足から20年を迎え、8月末には京都MUSE HALL史上初となる5日間貸切のイベント「KYOTO ROCK SUMMIT」を敢行する京都の名門レーベルCROW MUSIC。

 

MyTHはCROW MUSICがシーンにその名を轟かせ始めた'00年から'01年に在籍した4人組バンド。

 

現Versaillesの緋咲を擁したCrack brainや、CROW MUSIC代表のTATSUYA先生を擁したNUDEの全国ツアーに帯同し、京都シーンの中核になるべくTATSUYA先生が手塩をかけて育てたバンド。
しかしながら、CROW MUSICからデモテープとCDをリリースし好評を博すも、CDリリース後のツアーファイナルワンマンで空中分解に近い形で消滅し、そのまま引退してしまう、少しだけ惜しいバンドでした。


こちらは、CROW MUSIC所属前、'00年4月17日に配布されたデモテープ。(配布日はグラスレ調べ。会場は不明。)

疾走感のあるビートに、ビジュアル系らしい伸びやかなメロディを聞かせるギターとボーカルラインが印象的なナンバーになっています。
中低域を力強く聞かせるボーカルは、この時点で安定感があり、好印象。

しかし…一部のデモテープ作品では酷いプロダクションだったとは言え、作品も多くリリースしてレコーディングのノウハウが蓄積していたCROW MUSICの下で作った音源ではないため、スタジオライブを一発録りしたような、各パートの音量バランスも無視した、重ね録りもない、勢い任せなテイクになっています。

特にドラムはミスも多く、お世辞にも「上手いバンド」とは言えないテイクですが、イントロのメロディやギターソロで聞ける“よく歌う”ギター、中域をしっかり聞かせるボーカルが紡ぐ覚えやすいメロディラインと、バンドの持っているセンスの片鱗はちゃんと聞け、TATSUYA先生が期待を寄せたのも納得できる気がします。

なお、収録曲は、後にリリースされるDT・CDには収録されていないため、ここでしか聞けない貴重な曲になっています。

マイナーバンドの超上級者向けレア音源ではありますが、バンドとしては“出来るレベルのことを確実にやる”まとまりがあるバンドなので、聞き応えがあり、CROW MUSICからリリースされている彼らのCD/DTはオススメです。

 

++++++

 

ところで、'00年のKYOTO ROCK SUMMITでは、Crack brain(Versailles緋咲)、Due'le quartz(MIYAVI)、Mist of Rouge(ダウト幸樹)、Kagrra,、Poisonous Dollと、後にメジャー進出・世界進出するバンドやメンバー、時代の寵児としてシーンを席巻したバンドが一堂に会する(違う会にはムックなんかも参加していた)、今考えても豪華すぎるバンドが出演していたのですが…

 

今年の5Daysは…15年後も活動するバンドやメジャーや世界で活躍するようになる人間は…いるんでしょうか…

 

そう考えると、シーンは活性化しているけど、人材は昔ほど育たなくなってるのが気がかりだなぁ…と感じる20年目のサミット。

貴重音源レビュー:PlatinA Forest

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PlatinA Forest「feeling precious」

1.南風(Pre-Pro ver.)

ビジュアル系に多大な影響を与えた日本ロックシーンのカリスマMORRIEが率いるCreature Creatureで、(平均年齢を下げながら)ビジュアル系屈指のトッププレイヤーの中で存在感を示すShinobuが、全国展開の活動で本格的なバンドデビューを果たしたPlatinA Forestのプロモテープ。


初のCD作となった「feeling precious」は、La'cryma Christiを髣髴とさせるプログレ混じりの展開を聞かせるキャッチーなメロディが印象的な作品でしたが、「南風」は浮遊感のある音使いと伸びやかなメロディで、新人バンド離れしたセンスが光るナンバーになっていました。

CDではシンセを導入し、さらに雰囲気を強く出す音使いになっていたのですが、こちらのプロモ版は、テイクは同じながらシンセの音は入っておらず、また、マスタリングも大雑把で、いかにも完成前という印象。
レコーディング終了後も、完成形に持っていくために、まだまだ作業が必要…という、CDを聞くだけの人間にとっては知ることができない業界の大変さを垣間見ることが出来る貴重な音源になっています。


そもそもインディーズバンドの作品で、このプロモテープもどれだけのお店に配ったかも分からず、市場に出てくることはほとんど無いですが…業界人になった気分が味わえる音源なので、オークション等に出てきたときはチェックしてみるといいと思います。

貴重音源レビュー:PlatinA Forest

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PlatinA Forest「feeling precous 購入特典メッセージテープ」

1.メッセージ

前回も紹介したPlatinA Forestの1stCD「feeling precious」の購入特典メッセージテープ。

こちらは京都Beaver Recordsで付いてきた物。
他店でもメッセージテープが付いたかは不明ですが…個人的な記憶では、全国でもここだけだった気がします。


メンバーから購入のお礼と、レコーディング中のエピソード、オススメの曲や今後への意気込みを6分程度で話す内容になっています。

Shinobuがやたらと「歯が痛かった」ということと、「俺のギターを聞け!」アピールしてくるのが面白いです。

リリースされた'99年当時は、メッセージテープのようなものが付くのは非常に珍しく、バンドの素の姿が垣間見れる貴重な音源になっています。


ところで、京都Beaver Recordsは、特典が微妙で、激押しバンドでもサインの無い写真…ということもあるくらいでした。


そんな店が!

業務用テープを使って!

録りおろしのメッセージテープを付けていた!


このテープを知ったとき、当時、現役で通いまくっていたオヂサンに衝撃を与えてくれました。


このバンドを推していたのは知ってたけど、特典内容を発表して無かったから、当時も知らなかったんですよね…

そういうものが付くなら、ちゃんとアピールしておけば、もうちょっと売れたと思うんだけど…


う~ん。

関西人なのに商売がヘタクソ!!


…だから、今お店が無いんでしょうけどね。



そんな思い出話に耽ってみたくなるアイテム。

貴重音源レビュー:Dear Loving

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Dear Loving「恋は二人で -2007 Neo Arrange ver.-」

 

1.恋は二人で -2007 Neo Arrange ver.-

 

大阪・枚方を拠点に、同郷のJanne Da Arcに続けと全国区の活動をしていたDear Loving。

 

雑誌等への露出が増え、ビジュアル系バブルの勢いに乗ってCD売り上げも動因も着実に伸ばしていた2001年末から2002年の初頭、4ヶ月連続シングルリリースという企画にチャレンジしました。

 

その第3・4弾が「恋は二人で」と題されたシングルで、バレンタイン・ホワイトディにリリースを合わせ、同じ歌詞・メロディを男女それぞれの目線から違うアプローチで聞かせるという工夫がなされたものでした。

ポジティブな歌詞をポップなメロディに載せ、アップテンポでパンキッシュな演奏で聞かせるという、彼らが標榜した「ポジポック」を体現した完成度の高い楽曲になっていました。

 

こちらは2007年に同曲をリレコーディングしたCD-R。

データが無いため、詳しいリリースデータは分かりませんが、ビジュアル系時代を懐かしむTimeslip Gigか七夕ワンマン「星降る夜に会いましょう」で限定販売されたものだと思います。

 

オリジナルはGirlsサイドもBoysサイドもパンキッシュで勢いのある曲でしたが、ここでの再録は柔らかい音使いのギターが印象的で、力強くメロディを聞かせるアレンジがされています。リリースから5年の月日が経ち、少し落ち着いたバンドの姿を見せてくれます。

 

2007年の時点で10年近いキャリア(本格的活動は'98年からなので9年…さらに言うと、来年は20周年!!)を持っており、その長さが伊達じゃないと唸らされる安定感抜群のサウンドを聞かせてくれますが、この時点で既に脱ビジュ化して久しく、オリジナルリリース時に聞いていた人の多くがこういった限定音源がリリースされていた事実を知らないのが少し残念。

 

市場にもほとんど出ることが無いですが、ショップによってはそこまで高値で売らないため、見かけたときは是非捕獲して欲しい一枚です。

 

 

なお、4ヶ月連続シングルリリースの企画自体は、「アルバム一枚でまとめてもらった方がありがたい」という印象もあり、事実、アレでライトファンが追いつけなくなった感はあったのですが…音楽スタイルを少しずつ変えながら、聞く人を楽しませるという信念を貫き、メジャー進出も果たし、20年というキャリアを積み上げることになることになるのですから、やはりすごいバンドだなぁ…と思います。


貴重音源レビュー:TRESOR

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TRESOR「Psycho -prototype-」

1.Psycho -prototype-

ex-Freesiaのメンバーが中心となって'99年から活動していた大阪バンドTRESOR。
メンバーチェンジが多く、後期では同じくFreesiaを母体としていたMystic Moonのメンバーが合流し、解散後にギターのKenとRyu(このデモテープの時点ではRyuは加入前)はドレミ團のツインギターとしてメジャーシーンで活躍する他、出入りしていた人間がその後のシーンで存在感を見せるバンドに在籍しているのが面白いです。


こちらは'00年3月23日、大阪BIG CATで配布されたデモテープ。ジャケットが3種類あるそうですが(グラスレ調べ)、他のデザインは見たことありません。

勢いのあるビートに乗せて、攻撃的なシャウト主体のボーカルを聞かせるハードナンバーになっています…が…

ボーカルの声量が弱々しく、細い声質でおまけにスタミナ切れで後半息切れ…と、カラオケで調子外れに叫んでるような印象で、ボーカルがとにかくガッカリ。

ツインギターにはなっていますが、ほとんどシングルのような印象。しかしながら、シンプルながら勢いのあるリフ、緩急つけたギターソロと、なかなか面白いプレイを聞かせてくれています。

バックのレベルは及第点以上ですが、ボーカルがとにかく残念。


当時のビジュアル系として、レパートリーに煽れるハードナンバーを用意しておくのはお約束だったとは言え、あまりにもボーカルキャラに合わないスタイルのため「これは無い…」となってしまうのが正直なところ。


ボーカルがボイトレで力強くなり、声質に合った曲を揃えていたら…バックのレベルを考えるとまだまだ伸びた気もしますが…

当時のビジュアル系が「やらないといけない」と思い込んで、無理矢理やって空回り…という悪例のような一曲。

音源として非常にレアですが…無理して聞くことはないかな…

貴重音源レビュー:CRUNCH

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CRUNCH「Hi CANDY!」

1.Hi CANDY!

ex-STELLA MARIAのNaoya、ex-wyseのNatsuを中心に(当時、ショップではそこ推しだった)結成されたCRUNCH。

メロコア調の、アップテンポでパンキッシュな演奏とキャッチーなメロディを聞かせるスタイルが、青春パンク全盛だった時代に合い好評を博しましたが、バンド自体は非常に短命で、1年経たずに自然消滅してしまいました。

こちらは、結成後間もなく作成されたDT「くらクラ」リリース後の東名阪ツアーで配布された1曲入デモテープ。
東名阪揃えると背帯部分が繋がるデザインになっています。(こちらは大阪版。他の会場デザインは見たこと無いです)


ヘビーなイントロダクションから、ファンキーなリフとキメキメの跳ねたリズムで聞かせるアップテンポなロックチューンになっています。

線は細いながら、エモーショナルに声を絞り出すボーカルも、スタイルに合っていて○。

難しい展開をするリズムながら、機械的にならず、ほど良いラフさで聞かせる楽器陣も、全国区のバンドで名を馳せたのも伊達じゃないレベル。


前述のとおり、短命で、音源も3曲しか残されていないのが残念になる、良いバンドです。


ミクスチャー、メロコア、ファンクと、当時の流行をそのまま取り入れたと感じる部分もありますが、端々にビジュアル系らしさを失ってないアレンジが聞けるため、15年以上経った今聞いても、(サウンドのチープさは否めないですが)スタイルの古臭さはあまり感じず、流行をビジュアル系風に上手く料理している、という意味では昔から繰り返されてきたビジュアル系の処世術を垣間見れるような一曲…バンドです。


実は、関西ビジュアル系の集結したスーパーバンドだったのかもしれません。

全員が引退してしまった今、いまさらこのバンドの復活は無いと考えていいでしょうが…その時代にどんなスタイルが売れていて、ビジュアル系にその波が来ていたのかが分かるという意味で、良い資料・サンプルのような気がします。
 

貴重音源レビュー:Feria

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Feria「爪 ~a nail is stained with blood~」

1.爪 ~a nail is stained with blood~

名古屋の正統派ダークビジュアル系バンドFeriaが、初期編成(MOTOMI、Akihito、紫乃、RIN)の頃に作成・配布したデモテープ。

1stDT「氷の籠」リリース後に配布されたようですが、正式な日と会場は不明。
恐らく、100本程度の配布と思われます。


「氷の籠」の時点で、SEや語りを効果的に使い、同時期の新人インディーズバンドの中では、ビジュアルだけでなくサウンド面、楽曲アイデア等のセンスやアレンジ力、完成度は頭一つ抜けていた印象のあるバンドですが、こちらも「配布だけで終わらせるには惜しい」完成度の高い楽曲になっています。

語りにディレイをかけたイントロダクションから、浮遊感のあるリフ、さらに疾走感に乗せたメロディアスなギターリフへと繋げるイントロの展開だけで「おっ!」と思わせてくれます。

さらに、ゆったり歌いだすAメロから一転、シャウトの掛け合いが入るハードなBメロ、疾走感に乗せてキャッチーなメロディを聞かせるサビ…と、ダーク&ハード&メロディアスを順番に(しかも無理なく)聞かせる楽曲構成力はレベルの高さをうかがわせてくれます。

速弾きで一気にボルテージを上げ、メロディアスに聞かせるギターソロもなかなかテクニカルで◎。


この楽曲は、ベースの紫乃が脱退したライブ(か、新ベーシストとの最初のライブ)で「爪と十字架…」のタイトルで再録し、再配布されています。
そちらのテイクは解散後にこっそりとリリースしたベストCD「終焉の響き」でも聞けるのですが、最初に配布されたこちらのテイクはこのデモテープでしか聞くことが出来ません。

元々100本程度の配布であり、さらに、バンド自体が根強い人気を持っているため、市場にはなかなか出てこなく、出てきても「それなりの値段」で扱われることが多いです。

しかし、楽曲としては、正統派名古屋ビジュアル系のかっこいい所を詰め込んだような魅力を有しているので、オークションに出てきたときは、多少無理をしても聞いてみて欲しいです。


なお、配布テープですが、上質紙にしっかりと印刷されたジャケット、業務用テープにラベルがしっかりと貼付されているので、この手の配布テープでは真贋は分かりやすいです。

貴重音源レビュー:Feria

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Feria「キリストの夢」

1.キリストの夢

名古屋の正統派ダーク&ハード&メロディアス路線のバンドFeria。


前回紹介した「爪 -a nail is stained with blood-」同様、初期メンバー(MOTOMI、Akihito、紫乃、RIN)によって作成された配布デモテープ。こちらは'99年1月13日に配布されたという情報がグラスレさんに載っていました。

教会音楽を思わせる荘重なコーラスのSEを用いたイントロダクションから一転、ハード&スピーディなビートをバックに突き進むナンバー。
こう書くと「よくある感じの曲」となりそうな印象ですが、しかし、曲の中心になるフレーズや歌メロは非常にキャッチーで、Feriaの全レパートリーを通じて「最高傑作」と呼んで差し支えない完成度になっています。

デモテープのため、音像はチープではありますが、語りの被せや、ブレイク部分にボーカルの囁きを入れることで耳に残る展開にしたり、各所に取り入れられた工夫が完璧に機能しています。
 

最後のサビの後に、一度だけ出てくるCメロも非常に印象的で、速いビートの曲にしては5分近い尺の曲を飽きさせることなく聞ける曲構成に仕上げているところは、非凡な才能が発揮されていると言えます。
 

また、間奏のギターソロもかなりテクニカルで、ボーカルラインのテンションをしっかり後半へ引き継ぐよう、縦横無尽にフレーズを聞かせる、かなり高いレベルで聞かせてくれます。

「ダーク&ハード&メロディアスとはこうやるべきである」というお手本のような曲で、この頃のビジュアル系をこよなく愛する人なら絶対に聞いて欲しい一曲。


と、完全自主制作でここまでの曲を完成させたポテンシャルは非常に高いのですが、全国販売したデモテープでは、この曲の再収録も無く、少々難解な楽曲展開とハードさに偏った曲を収録していたため、バンドの印象がイマイチぱっとしなくなってしまっていたのが少し残念。

ここまでのキラーチューンになり得る楽曲があったのなら、もっとそこを推していっても良かったかなぁ…と。


なお、楽曲としては、MOTOMIが歌ったテイクはこのデモテープでしか聞けず、その後、ボーカルがTETSUYAに変わった際、インフォメーションクラブ会員限定で作ったデモテープに再録ver.を収録。
後者はベストCD「終焉の響き」に収録されています。

「ヘタ」とまでは言わないけど、「上手い」とは口が裂けても言えないMOTOMIのボーカルと違い、声量も音感も安定感抜群のTETSUYAのテイクは、この曲の魅力が100%引き出されており、ダークビジュアル系の名曲として挙げても差し支えないレベルなので、全ビジュアル系ファン必聴の1曲になっています…が、あまりにもレアな楽曲のため、誰ともこの思いが共感できなくて、非常に辛いです。


名古屋ビジュアル系の至宝…になり損ねたバンドの最高傑作。
その実力は、見かけ倒しとはかけ離れた、ビジュアル系史上にも残せうる名曲。

貴重音源レビュー:BAISER

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BAISER「配布VT」

1.E.G.O.
2.Psychotic Desire
3.発狂
4.薔薇の供物

発狂黒系からダンスビート、ポップチューンまで様々なスタイルを渡り歩いたBAISERが、真っ黒いイメージで活動していた極初期に配布した(と思われる)ビデオ。
配布時期は不明ですが、'93~'94年で、アルバム「接吻」をリリースする前であるのは確かです。

なんと、2曲が未CD化で、スタジオ音源(ブッキング用のデモテープ等はあるかもしれないですが)には収録されていない、このビデオでしか聞けない曲になっています。


#1はエレドラのビートが印象的なニューウェーブパンクをベースに、エフェクトのかかったボーカルを聞かせる曲。
演奏シーンは基本ライブシーンで、冒頭と終盤にヒットラーの演説をSEに使用したり、ドイツ軍の演習映像を加工したり、軍服ビジュアルとリンクした映像が挿入されています。

軍服の紫がかっこいい!

#2はポジパンの王道スタイルを、ビジュアル系らしいダークで攻撃的な音使いの演奏やエロティシズム満載の歌詞で聞かせるナンバー。

こちらもライブシーンにスタジオ音源を重ねている映像。
ここでは、この頃のビジュアル系らしい網網の衣装をはだけさせ、ハードなライブが行われたのが分かる映像になっています。

#3はCD「接吻」にも収録されていたナンバーですが、そこに収録されているSEやノイズをミックスしたものと違い、シンプルなバンドサウンドで聞かせるテイクになっています。(このビデオ以外では聞けないはず)
こちらも軍服紫が髪を振り乱すハードなライブ映像になっています。

#4もCD「接吻」に収録されていますが、そちらと比べるとシンプルなアレンジが施されたテイク。VA「TURN OVER "CROW"version」に提供されたテイクに近いです。
こちらは配布か何か分かりませんがデモテープの存在が確認されています。
エンドロール(と言うかメンバークレジット)に音を重ねているだけのため、ギターソロの途中でフェイドアウトしてしまうのがあまりにも惜しいです。


レーベルにも所属していないド・マイナー時代の作品のため、存在も知らない人が多いですが、極初期のライブがどんな雰囲気で行われていたか分かる貴重な映像と、未発表曲&未発表テイクのみで構成された貴重な音源になっているため、是非、コレクターでなくても見て聞いて欲しい作品になっています。

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